可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「あのぉ、先生ってそんなに安月給、なの?」

 ……一体、いくらもらってると思ってるんだ?

「おう。悲しい位安月給だ」

「どれくらいもらってるのか、聞いてもいい?」

「あんまし聞かせたくないけど、またネタとして必要なんだろ? お前の小説の教員は2年目だから、2年目の給料なら教えてやる」

 財形や生命保険を給料天引きにしてない場合はだいたいこんなもんだろう、という額を教えてやるとするか。

「まぁ、ざっくり言って、手取りで18万から20万程度だ」

「それって、多いか少ないかよくわかんない……」

「大卒の2年目なら、一般企業でもそんなもんかも知れない。
もちろん、職種にもよるけどな。」

「なら、特別安くもないんだ」

 安くはない、かも知れないが、労働の対価としてどうかっていう話もあるんだな、これが。

「……時給にすると悲しくなるぞ。残業代出ないのに仕事は山積みだし、土日も部活。昨日もテストの丸つけで家に帰ったら12時過ぎてた……」
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