可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 学校祭当日。

 模擬店の審査に当たっている俺は、カメラ片手に各クラスを回っていた。

 そこに現れたおバカ路線の妄想女子……。

「先生! 売上に貢献してください!」

 3-5の模擬店・メイド喫茶へ強制連行された。

 ちょっと、いや、かなり似合っていて驚いたのが、メイドさんのコスプレ衣装。

 ……可愛いな。

 そんなに短いスカート穿いてるんだから、絶対しゃがんだりするなよ!

「お帰りなさいませ、ご主人様~っ!」

 最近、言われてみたかったセリフを、さらっとこいつに、しかもこのシチュエーションで言われてしまった。

 不覚にも、我が家で待っている安西を思い浮かべてしまった……。

 どうした、俺!?

「……どんなリアクションを取ればいいのかわからん……」

「萌え~! って鼻の下伸ばしてくれたら頑張った甲斐があるってもんですよ!」

「……俺のキャラじゃない」

 そう、なのに「萌え」の気分なのは、ちょっとした気の迷いだ!
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