可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「んもう! いいです! 私だってホントは恥ずかしいんだから! はい、ケーキセット」

 ケーキとコーヒーを置いて、隣の椅子に座る安西。

 ……だから、そのスカートの丈はヤバいだろ!

「ご主人様、はい、あ~ん」

「へ? あ、あ~ん」

 不意討ちで、口にケーキを入れられた。

「……って、ちょっと待て! こんなサービス、高校生が学祭でやるな!」

「やってませんよ。先生には普段お世話になってるから、特別大サービス!」

「そんなサービス、いらねーよ!」

 まずいだろ、それは!

「え~っ、ご主人様のお気に召さないサービスでしたかぁ?」

「そういうことは彼氏にだけやればいいんだ!」

「どうせ彼氏いない歴17年ですよ!」

 ……やっぱりな。

 だが、誰かと付き合った経験もないのに、よくあれだけのぶっ飛んだ恋愛小説が書けるものだ。

 いや、彼氏がいないからこそ、ここまで妄想力が高まったと考えるべきか?
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