可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 これ以上彼女から『あ~ん』をされると色々と問題アリなので、話題を変えることにした。

 萌えの気分も吹き飛ぶあの話題だ。

「そうそう、読んだぞ。また今回も大いに笑わせてもらった」

「えええ~っ? ドキドキ・きゅんきゅんを目指したのに! 笑いなんてひとっつも求めてないのに何で!?」

 身を乗り出して尋ねてきた。

「いや、前回のプロレタリアから、一気に妄想の世界へ飛んだな、と思ってさ。安西は今まで学校に通ってて、保健室の先生が男だったこと、あるか?」

「……ない、です」

「だろ? うちの自治体にはいない。でもって『保健医』なるものは学校教育法上、存在しない」

「えっ!? だって、みんな書いてるのに」

「みたいだな。でも、現実に幼稚園から高校まで配置されるのは、養護教諭。教員免許を持った養護教諭のみが『保健室の先生』になれるんだ。ちなみに『校医』というのは『学校医』のことだからな」
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