可愛い生徒（ｶﾉｼﾞｮ）の育て方
　生徒は4人部屋、教員は基本的には2人部屋を割り当てられる。俺は大森先生と一緒だ。

　夜、携帯で奥さんと話していたようだ。メールには、子ども達の写真が添付されていて、俺にも見せてくれた。

　……うちの甥と姪には敵わないが可愛い。

　興味があったので、聞いてみた。

「先生の奥さんって、どんな方ですか？」

　大森先生は笑って教えてくれた。

「教え子だったっていう話は前にしたよね!?　卒業する前から、よく俺になついていたんだけど、卒業後の進路が旅行会社だったんだ。部活の遠征で、せっかくだからその旅行会社を使おうと思ってさ。……それから付き合い始めた」

　なるほど。

「やっぱり、卒業後にお付き合いしていたんですね」

「当然！　在学中はさすがにヤバいでしょう!!　卒業しても好きでいてもらえるように、ちょっとだけ暗示はかけたけどね」

「どんな暗示ですか？」

　それはなかなか気になるところだ。

　大森先生は「やっぱ言わなきゃダメか～」などとぶつぶつ言いながらも、こっそり教えてくれた。

< 86 / 282 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop