可愛い生徒(カノジョ)の育て方
「……今の関係が早く終わって欲しい。そしたら自由になって君に会いに行くからってね」

 ……それはまた、好きな先生から言われてみたいセリフだろうな。

「つまり、卒業前から予約済みだった訳ですね」

「まぁ、そうなる、かな?」

「私が女子高生なら、そんな事言われたら惚れますよ」

「松本さんも、手放したくない生徒がいたら、ちゃんと予約して、卒業後にお迎えして下さいね」

 大森先生は、意味深な笑みを浮かべて布団にもぐりこんだ。

 ……それから10分後、早くも隣で寝息を立てている大森先生。だが、俺はこの後、12時の巡回当番がある。

 今寝ると絶対に起きられないので、このまま起きていることにした。

 こんな時こそ、あいつの妄想小説で楽しませてもらおう。枕元に置いてある携帯を手に、いつものページへジャンプした。

 すると、やっぱり新作をUPしていたようだ。

 さすが安西。夏休みに入ってすぐ、受験勉強もしないでこっちを更新していたのか。

 全く、しょうがない奴だ。

 大森先生を起こさないように静かに寝返りをうって、携帯の画面を眺めた。
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