胸に刻んで


「なぁ、松澤。一緒に頑張らねぇ?」


「なにを……頑張るの?」




人の目をこんなにじっと見て喋るなんて最近あまりしてなかった。


緑川から目がそらせない。




「片想いを両想いにするんだよ」




胸がドクッと大きく音を立てた。


首あたりにじわじわと
汗をかいてる感じがした。


自分でも気づかないうちに、ぎゅっと握られた手の内側も汗をかいている。

力を込め、グーにしていた手を緩める。


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