twin∞soul
さっきの木陰に戻る頃には、やはり他にもたくさんカップルが集まってきていた。

考える事はみんな同じ。

みんな、その時の一瞬を見たいのだ。

好きな人と感じたいのだ。

光輝く太陽の眩しさから、静寂さを放つ月や星が照らす闇になる瞬間を...。

流の闇も、今この瞬間なら私は見たい。

流は長い腕を沈んでいく日に、真っ直ぐ向けて指を差す。

「笑、もうすぐ沈むぞ...ちゃんと見とけよ」

「本当だ...」

その瞬間は一瞬だった。

日は地平線に消えて月が海を輝かせた。

夜空には星が瞬く。

「うわっ、キレーッ!」

「そうだな...キレイだな...」

月も星屑も、あなたを照らす。

海のように深く大きな広い心で、あなたはそっと私を抱き締める。

月が昇り、日が沈んだこの一瞬を、あなたと私だけの永遠にする。
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