twin∞soul
「流?」

「何だ?」

流のマシュマロみたいに柔らかい口唇をなぞりながら私も流の名前を呼ぶ。

私の問いかけに、必ず反応してくれる流。

「どうして私を選んでくれたの?」

「...いくつも有る中から俺は笑を選んだ訳じゃない。最初っから俺には笑しか見えてない」

「うそ...」

「嘘じゃない。喫茶店でおまえの笑顔を見て頭の中に残って、その日は仕事で大事な試験があったんだ。でも、おまえの笑顔で勉強してきたものが、全部ふっ飛んだんだ」

「流、集中力なさすぎ~っ」

私は思わず笑ってしまう。

「おまえが言うな、おまえが」

流は眉を八の字にしてあきれた顔をして言う。

「それでそれで?」

指を絡ませながら、

「試験は落ちた。だから笑に嫌がらせした。おまえに八つ当たりした。おまえの笑顔が憎たらしくて仕方なかった」

そういえば、そんな事言われたよな。

「私は何もしてないよ」

「そうだな、おまえは何もしてない」

流は絡めた私の指先に軽くキスをする。

「今も憎い?恨んでる?試験に落ちたの私のせいだと思ってる?」

「...憎いな。恨んでるし、おまえのせいだと俺は一方的に思ってる」

「そっか...」
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