twin∞soul

「だから、何度も私がそう言ったのに。自分でも自覚できてんじゃん。そっかぁ、無理して生活してたんだね」

流もはっきりした性格してるかと思いきや、人に応じて、自分を押し潰す事もあるんだ。

何となく、時夫との生活を思い出した。私も早く結婚してよ！なんて要求ばかりして、養ってよ！なんて期待して、こじつけて何とか同棲生活を送る事ができたけど。

あの時、時夫も私に言った。
「本心なんて表に出すもんじゃない」
でも、実は時夫の本心は流の本心と同じなのかも知れない。

「笑は俺の悪い面を全てを受け止めてくれるだろ？妻にそんなとこを少しでも見せたら絶対に、大ごとにされる...」
「そうかな...」
「妻は以前はキャリアのある仕事をずっとしてたからか収入も俺より倍は有った。今も何かにつけて、そこを強く言われる。確かに子どももいるからな...」
「そうだね」
「俺は少しおかしい人間だと思ってくれていいが... 本当の所、子どもに対しても実感がないんだよ父親だって。妻の一部分としてしか思えないんだ...」
「変だなんて思わないけど、どうして？」

「...話せば長くなるんだがな、結婚した当時は、妻には俺にも言えない事情があったようで...詳しくは俺は聞きもしなかったが、結局俺の子だと妻は言い張るが実際は違う事を俺は後から知ってしまったんだよ...」

流の子じゃないって事？
奥さんにも最初っから、今ですらも秘密がある...という事か。
それを、知らぬふりして流は生活していた。

「いいよ、無理しなくて」
それ以上は私が聞いても仕方ないし。
「...あぁ、みっともない話だからな」

言われるがまま... 流されるまま... 解らないまま... そうしてきたと、私に話したかったんだね？

私は流の手を両手で握ってあげた。

「だけどね笑？俺は今まで何を求めて生きてきたのか、おまえと出逢ってやっと分かった気がしたんだ」
「...」
「笑の言う通り、今はまだ何かを変えるには俺の中で半端過ぎる。以前に話していた試験がもうすぐある。試験を受けてクリアしたら状況が多少は変わるはず。俺からの頼みだ、待っていてくれ。俺はおまえのもとへ全てを捨てて必ず迎えに行くから！絶対だ、約束する！」