twin∞soul
「もうすぐ出てくると思うけど。メールしとくから、もう少し待ってるといいよ。流は自転車だから、簡単に捕まるはずだけど。本当に今朝は申し訳なかったね」

「いえ、お兄さんが謝る事じゃないですよ」

「ただ、そこまで酷い奴ではないからさ、許してやってよ。お詫びにまた、美味しいコーヒー飲みに行くからね」

「エヘヘ☆はい、有り難うございます」

優しいお兄さんは手を振り、爽やかに立ち去った。

ふぁ~っ、優しい。

何て優しい人なんだろう。

あんな優しい人と一緒に居ても、アイツは最悪。

最悪が引き立つわけだ。

っていうか、あんな優しいお兄様は、杉原流なんかと一緒にいちゃダメ!

もう少しだけ待って、来なかったら帰ろっと。

私は座って、うつむいて再び一時間近くボーッと待っていた。

自転車がブレーキをたてる音がした。

見上げた先には、

「なんだ、おまえ。まだ居たのか?」
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