twin∞soul
杉原流は、薄目で私を嫌な感じで見下していた。

「こんな遅くまで、よく粘ったもんだ。さすがヒマ人」

溜め息をついて、タバコを吸い始める。

私は慌てて立ち上がり、さっそく考えていた言葉を投げつけた。

「今朝のあなたの発言は何なんですか?他のお客さんのいる前で露骨に嫌がらせして、止めて下さい!腹が立つの通り越して、常識を疑いますよ!」

「へぇ、それで?」

「あなたには単刀直入、ハッキリ言います。もう二度とうちの店に来ないで下さい!」

どうだ、言い切ったよ私。

ほらほら、言い返せない。

驚いて、タバコすら吹かすのも忘れている。

「...やだね、俺はあくまでも客だし、嫌ならおまえが仕事、辞めろよ」

ムムム...ムカツクーッ!

本気でムカツクから、最後の手段でコイツを殴る!

私は、すかさず右手で平手打ちを構えたら、
ギュッと強く腕を掴まれた。

まだ、昨晩の腕の痛みも消えてない腕に。

「痛っ、離してよ!絶対殴ってやるんだから!あんた本気でムカツクから!」

杉原流は、余裕で嫌らしい笑みを浮かべて、私の怒ってる表情をワザと覗き込んだ。

「ざけんな。そんな力で俺を殴れるかっての」

何で、そういうふうにしか他人と向き合えないの?

私、こんなでも結構傷ついてるんだから!

怒ってたって傷ついてるんだから!

我慢して気持ち押さえたりして、それでもやっぱり、こんなのオカシイって思ってここに来たんだから!

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