twin∞soul
吸いかけのタバコを投げ捨て、おもむろに乗っていた自転車を、そのまま地面に倒した。

右腕は掴まれたまま。

私は言った。

「自分に正直だなんて、あんたは単なる性格が悪いだけでしょうが。キレイごとみたく、言うんじゃないよ」

「へぇ、言ってくれるねぇ。喧嘩売ってんの?」

「それは、あんたがでしょ!」

そうやって、何かにつけて挑発ばかりしてきて。

話にならない。

まともじゃないよコイツ。

「面白いねぇ。これは益々、毎朝コーヒー飲みに、おたくの店に行きたくなったよ」

私が何したっていうの?

何で、こんな目に合わなきゃならないの?

恨まれる事なんて、した覚えは全くないよ。

うつむきながら、涙を落とす。

コイツがどうして、こういう事をしてくるのかを、私は知りたい。

本当の理由を知りたい。

そうすれば、私だって少しは納得できる。

私は杉原流を、涙目で直視した。

……。

えっ?

何、今の……。

コイツの直視。

私よりも強く感じた。
< 24 / 206 >

この作品をシェア

pagetop