twin∞soul
「おい、こら、ねぇちゃん!俺の頼んだコーヒーはいつ届くんだ!いつまで待たせるんだ!」

えっ?…わ、私?

私の視界から流を遮るように、ヒゲヅラの小汚ないオッサンが私に吠えた。

オッサンのコーヒー?

やばい、忘れてた!

「もっ、申し訳ありません!只今、お持ち致します!」

「いらん!俺は帰る!こんな客のオーダー忘れる店には、二度と来るか!」

私は周囲の客が注目する中で、何度も頭を下げて謝った。

それでもオッサンは、相当なご立腹で文句を言いながら、帰ってしまった。

どうしよう...久しぶりに大きなミスした。

恥ずかしい...みんなの前で一人で怒鳴られて。

流に、弱味握られた。

カッコ悪い。

私は流をそっと見ると、アイツは全然気にもしないで、朝刊を読んでいる。

私は呆然と立ち尽くしていると、すかさず学生のバイト君が、声を掛けてくれた。

「笑さん、ドンマイ。少し奥で一呼吸して、落ち着いたら戻っておいでよ」

「う、うん...ごめんね」

私はびっくりして、膝や指が震えてしまった。

「大丈夫?平気?」

「うん、迷惑かけてごめんね」

何やってんだか、私。

震える指先を握りながら、私は奥へと隠れた。

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