twin∞soul
うずくまりながら、一人で色々考える。

どうして順番、飛ばしちゃったんだろう。

流が店に来た直前に、オッサンの注文聞いたから...流のコーヒー注文とって運んで...。

私、やっぱり待たせてたんだ。

もぉぉっ!

「笑ちゃん、どうしたの?落ち着ついた?」

ママが声を掛けてくれた。

「ママごめんなさい。私、大失敗しちゃった よ、どうしよう...」

「笑ちゃん、失敗なんて商売やってたら当たり前なんだから、気にしないでいいのよ。ただ、最近の笑ちゃんは、何だか様子がおかしいよ?具合でも悪いの?」

「そうかな、どうして?」

「顔色も良くないし、余裕がない感じがする。疲れてるんじゃない?ほら、嫌がらせの件もあるし。少しお休みでもする?」

ママの言葉に、ビクッとした。

「ママ、私はもうクビになるの?」

「そんな事、一言も言ってないでしょ?笑ちゃんの心と身体が、心配なだけよ」

「ママァ~、ふぇ~ん!!...」

私はママに泣きついた。

こんなによくしてくれる人達のいる喫茶店を、私は辞めたくない。

疲れているから、失敗したから、嫌がらせを受けているから、だなんて理由で辞める事は、私は自分の弱さに負けた事と同じ。

自分がその場、その一瞬に、集中してないのが悪い。

それに流の嫌がらせには、絶対に負けたくない。

言い訳はしたくない。

自分自身の事だから。
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