twin∞soul
そしてまた朝がやってきた。

慌ただしく時間に追われる喫茶店内。

「笑ちゃん、3番さん、アイスね!」

ママの一声が店内に響く。

「了解ッス!」

ガツガツ働く私にママは以前から、もっと長く働いてくれたら、と言われているのだが。

意外と掛け持ちバイトが、気持ちを切り替えられるから止められないってのがある。

「笑さん。ちょっと見て、アレ」

「何?」

小声で店の奥に呼び出したのは、同じモーニングタイムでバイトする大学生の男の子。

「窓際の一番隅に座ってる客、何か今書いてると思わない?」

「どこよ、どれよ」

「あそこの黒髪の、長い足ほおり出してる作業服のオッサン」

「あっ、アイツ!」

「今、胸元のポケットにボールペンしまったでしょ?明らかに不審者だよ」

ムムム、ムカツク!
アイツか、この私に嫌がらせしてくる張本人は。

「私が会計する!」

「いいよ、俺が会計するから」

「何でよ!」

「ほらほら、スマイル~☆笑さんはとりあえず、テーブルを片付けて見ておいでよ」

バイトの男の子は、私の肩を軽く揉んで、その男が席から離れたと同時に会計へと向かった。

私はそのタイミングで、テーブルへと向かって見ると...やっぱりね。

< 7 / 206 >

この作品をシェア

pagetop