twin∞soul

「嫌な事は何もなかったよ。良い話を聞いたの」

私は、こんな話を流がきちんと聞いてくれる訳ないと、思いながら話す。

「花屋のバイト中、男の子が告白するってので、指定でバラ8本の花束を作ったのね」

「それで？」

「8本には意味があるんだよ。8の数字を横にすると、こんな∞になるんだけど」

私は、流の作業服の胸の辺りに、指で∞のマークを描く。

「それで？」

「無限大ってマークなんだって。知ってた？終わりがない、永遠に二つの輪は一つの輪で繋がれているんだってさ」

「それで？」

「そういう意味を込めて、8本のバラにしたそうだよ」

「そっか」

たぶん流は、たくさん経験してきてるから、10代20代の若い子の明確ではない話など、くだらないって思っているんだろうけど。

占いだとか、おまじないだとか、メイシンだとか、手探りでも何とかして、叶えたい事もあるんだよね。

私は女だから解る。