会いたい。【短】
蒼太の右手が、あたしの顎を掴みクイッと上げられた。
「……っ!!」
蒼太の、キス。
いつもは優しいキスなのに、押し付けるような強引な…キス。
「ボクに何か言うことは?」
唇を離され、かなりの至近距離で蒼太に聞かれた言葉に。
「……っ」
あたしの目からは涙が溢れた。
「泣いても許さないよ?ボクが万里ちゃんに別れると言われて、どれだけ傷ついたと思ってるの」
あたしは蒼太を見上げた。
そう、だよね…。
本心じゃないにしても、あたしは別れると言ったんだ…。
「上目使いしてもダメ。許さないよ?」
「ご…めんな…さ、い…」