会いたい。【短】

蒼太の右手が、あたしの顎を掴みクイッと上げられた。



「……っ!!」



蒼太の、キス。



いつもは優しいキスなのに、押し付けるような強引な…キス。



「ボクに何か言うことは?」



唇を離され、かなりの至近距離で蒼太に聞かれた言葉に。



「……っ」



あたしの目からは涙が溢れた。



「泣いても許さないよ?ボクが万里ちゃんに別れると言われて、どれだけ傷ついたと思ってるの」



あたしは蒼太を見上げた。



そう、だよね…。



本心じゃないにしても、あたしは別れると言ったんだ…。



「上目使いしてもダメ。許さないよ?」



「ご…めんな…さ、い…」



< 12 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop