愛のために生き、愛に殺された。
「ミチル、俺らは【人造】だけどよ、生きてるんだから。

とっくに死んで、生き返って、こうして生きてるんだからさ。

…………人間らしいこと、してもいいよな?」


「人間らしいこと?」



首をかしげて俺を見つめるミチルに、俺は顔を近づけてそっとミチルに触れる。



「ん……」


「愛があるから、きっと人は生きていられるんだろうな」


「………愛、ねぇ…」



少しうつむいて睫毛を震わすミチルに俺は『しまった』と触れようとした唇を離す。



「ミチル、俺は……」


「アタシにはユウだけ。ユウしか愛さないし、ユウにしか愛されたくない」



そう言ってすっくと立ち上がるミチルは、そのまま路地裏の奥へと消えたいった。

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