愛のために生き、愛に殺された。
愛のある世界で、愛に捨てられた
*ミチルside



あんな思いは二度としたくない。



路地裏から抜けてファミリーの溜まり場へと足を運ぶ。

誰もいないことを確認してソファーに寝転んだ。


だけど、



「れれれ~ん?ミチルじゃん。ユウと一緒じゃなかったっけ」


「……なんで居んのさ」



今最も会いたくない人物が、ソファーに寝転んだアタシを上から見下ろしている。



「あんたにだけは会いたくなかったよ、アキラ」


「なはは、それって俺が【特別】だってこと?照れるわー」


「相変わらずポジティブだな。いいからどっか行けよ」


「ミチル、口調変わってるけど?誰かに聞かれたらどうすんのー」


「……うるさい。あんたしかいねーだろ、どうせ」


「おうともさ!密室で二人きり~」


「キモい」



こいつにだけは、何故か口調が変わってしまう。


別にこれが【素】ってワケじゃない。
多分だけど。

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