籠の中の蝶は道化師か
笑う男
死を連想するような潔癖な白ではなく、穏やかなアイボリーの壁
若草色のストライプが入ってカーテン
角の柔らかなクローゼット
そこにぽっかりと、白いベッドが置かれている
それだけが白々しいほど白くて
ここが病院だということを思い出させる
「おはよう、母さん」
清潔に整えられたシーツに包まれた女性に向けて声をかけるが、応えはない
返って来るとも思っていない
鼓動を示す機械音を聴きながら、俺の1日は始まる