クール王様と甘えん坊王妃
ちょっと歩くと、お城のような大きな建物が見えた。
あそこなのかな?
「王妃様、到着致しました」
『了解!』
神西さんが胸ポケットについたマイクに向かって、言う。
するとあたしの方にも微かに、音が漏れて聞こえてきた。
「王妃様ですね!?感想をお聞かせください!」
振り返ると、大勢の記者達がいる。
あたしの方に寄って来ようとする記者を、SP男が抑えてる。
有名人みたいな扱い....。
って、あたしは今日から有名人なのか。
あたしは笑顔で軽く一礼して、無言で中に入った。
「王妃様のお出ましです。表扉にご注目ください!」
中からそんな声が聞こえるなか、扉の前に立つ。
あたしの前には、可愛い男の子がひとり。
お花を持って、エスコートしてくれるみたい。