クール王様と甘えん坊王妃
「それでは、会見を始めます。まず初めに、王妃様の自己紹介です」
えっ!
あたしの話す場があるの?
......何話したらいいの!?
目の前にあるマイクにスイッチを入れる。
「ふー.......」
深呼吸して心を落ち着かせる。
会場が少しざわついてしまった。
後で怒られちゃうかな?
「失礼致しました。私、篠原音乃と申します。東京大学付属で、ファッションモデルをやらさせて頂いてます。この度、王妃として生きていく事になりました。これも一つの親孝行だと思っています。迷惑をかけることもあるでしょうが、よろしくお願い致します。」
言い切った.....
肩をおろし、マイクをOFFにする。
「有難う御座いました。続いて、結婚式に移りたいと思います。ケーキ入刀をお願いします」
あたし、この人と結婚するんだよね。
二人でナイフを持つ。
意外と重くて、支えられなくなった。