鈴音~生け贄の巫女~
ずるりと、下半身に辛うじてかかっていた毛布がおちた。
ベットからおり、目の前にある鉄格子にしがみつき外を見ようとして。
ガシリ、と力強い金属音に止められた。
「え……?」
驚愕して後ろを見てみれば、ピンと伸びる鎖。
それは、紛れもなく凛の首まで伸びていた。
ただただ、恐怖。
カタカタと身体が震えだし、瞳からはボロリと雫が溢れ出す。
けれども、それを拭ってくれる人はここにはいない。
「や……、なにこれ、どこ、……なんで……!?」
ギシリと鈍く音を立てるのは鎖が自分の首が、最早わからない。
それくらいに、細い身体に力を込めて鉄格子にしがみつき先の道を見た。
お願い誰か居て、助けて。
そう思いながらも、闇に続く道はどこまでもどこまでも真っ暗闇で、音も響きさえしない。
迷路のように曲がりくねった、地下牢に自分はいるのだとやけに回転の速い頭で悟った。
同時に感じるのは、絶望であるに。