鈴音~生け贄の巫女~
「嬉しいです、シンさん……、良かった、届いて。じゃないと私、……」
永遠とこんなところにいることになったのだろうか。
そう思うと、身震いしてしまう。
己をシンに少しでも近付こうと鉄格子に身を寄せ、顔を見上げる。
「私は、誰の手によってこんなところに幽閉されてしまったのでしょう……?起きたらここにいて、何が何だかわかりません……」
「凛。すまない、俺がついていながら。俺は"また"守ることができない。そう思って、村の奴らに事を任せたのが間違いだったな—————」
「え?」
シンの言葉の端々に違和感を感じて、凛は首を傾げる。
「また、ってどういうことですか?シンさん。村の皆……?」
そこまで言葉にして、とある予測が脳裏を掠めてはその内容の酷さに口を閉じた。
まさかそんなことはあって欲しくない、そう思えども。
「そうだなァ、村の奴らがなぁー。ひでぇ話もありますもんですわぁ」
クツクツ、喉の奥から笑いを零し背後から急に現れたのは。
フワリと雲のようなものを漂わせ、優雅に地面に着地した五木だった。