鈴音~生け贄の巫女~


相変わらず表情の薄いシンの顔を、凜はじいと見つめて。


瞬きをひとつ、ふたつ、みっつ。


する内に足を止めていれば、シンはさっさと進んでしまっていて、慌てて追い付いた。


そんな凜を一瞥して、シンが口を開く。


「はやく終わったら、散歩にでも行くか」


そうして、その内容に驚いた凜は。

折角追い付いたと言うのに、シンの言葉により凜の足は止まってしまって。


「……えっ」


「広い土地を持つ神社がひとつあってな。そこで良く遊ぶ子供達にお前のことを話したら、会いたいとせがまれた故に誘った。いやならいいが」


「いや、いえ、あのっ」


凜はぶんぶんと首を振り、次いで勢い良く縦に振った。


「行き、ます、行きたいです……!」


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