鈴音~生け贄の巫女~
02
現代のように補導された道が続くわけでもなしに、些かも大きめの石が凸凹としている道を歩いていれば疲れも早く溜まると言うもの。
シンの後ろを歩いて15分、我ながら体力ないなと苦笑いをしつつも凜は大きく息を吐いた。
すでに乱れている呼吸のせいで軽い酸欠を起こしたか、くらくらとする視界になんとかシンの背中を映したまま――………と、なんの前触れもなく、その背中が振り向く。
はたと立ち止まろうとすれば時すでに遅し、ドン、と音を立ててシンの胸元に鼻をぶつけてしまった凛は慌てて飛び退いた。
「あ、あ、あの、ごめんなさい!」
ジンジンと痛む鼻を抑え、焦りに言葉を噛む。
恥ずかしいことが積み重なって、凛は視線をシンから外し。
そんな時に、スッと目の前に手を差し出されたものだから、ぱちくりとその大きな瞳を瞬いた。
「大丈夫だ。それより、辛くはないか」
「え」