鈴音~生け贄の巫女~
「あっ、ほら、やっぱもうみんないるぜ!早くいこうぜ、おい!」
子供とは体力の塊なのだろうかいやきっとそうなんだと思わざるを得ないほどに、シンを追い抜きすらすらと階段を登っていく太一は。
当然、二人よりも早く階段の上に立って見下ろす。
「おーい!」
そして、その姿を見ていた凜は目を擦った。
此方に向かって大きく手を振る太一、の周りで。
これまた数人の人影が手を振っているのだ。
どうして返すものかと一瞬戸惑うも、ひらりと手を振り替えしてやればわあと声が沸き上がり。
「子供たちだ。みんな、いつも此処で遊んでいる」