鈴音~生け贄の巫女~
わらわらと群がってくる子供たちを一気に対処仕切れずに、凜は戸惑う。
「えっ……と、」
ちらりと助けを求めてシンと太一を見れば、なにやら二人は顔を合わせて仄かに笑った。
そんな、心の通じあっているかのような二人を見れば何故か茅の外のような感覚を味わった凜は、首を傾げて二人をじぃと見るに。
子供たちと目線の高さを合わせるためにしゃがんだシンは、丁度近くにいた少女の柔らかな髪をポンと撫でる。
「一緒に遊んでくれる。友達、だ」
そうして向ける表情に、凜はつい見入ってしまって。
「ねぇ、ねぇ。おねーちゃん、御名前は?」
ぐいぐいと服を引っ張られる感覚で、ふいに現実へと引き戻された。