鈴音~生け贄の巫女~
「あっ……」
けれども、その耳は赤く染まっていて。
シャイというか、恥ずかしがりなのだろうかと凜は思う。
そして、自分もそうであるからには親近感を覚えずにはいられなかった。
「ところでよー、凜ねーちゃん。もう一人のヤツはどこいったの?」
「え?」
いつの間にか階段の近くに行っていた太一が、その下を覗きながら言う。
その言葉の意味がわからずに、シンと凜は顔を見合わせた。
「ほら、もう一人いたろ。にーちゃんが」
「えっ……と、シンさんのこと……?」
「違う、違う。他にもう一人」
息を呑む。
シンに至っては、まさかと眉を潜め険しい顔になった。