鈴音~生け贄の巫女~
――………つけられていた……?
それをシンも凜も気付かず、ただ、階段の上から二人を見ていた子供たちは気付いた。
そうして、何よりも問題であるのは。
何故、つけられているのか、であるわけだが。
それを考えたのはシンも同じであるらしく、一度息を吐いてからぐるりと子供たちを見回し。
「ここに向かっていたのは凜と俺だけだ。……もし、またその二人を見掛けたら教えてくれ」
誰にも気付かれないようにな、と年押しをすると共に唇へと人差し指を持っていって。
しぃ、と息を吐き出せば子供たちは元気に返事をしてくれる。
「シン、さん……」
「心配はいらない。お前を守るのは俺の役目だ」
――………トクン、と胸が高鳴ったのは何故か。
胸に両手を押し当て、不安げに眉尻を下げる凜は今度こそ真剣にその理由を考える。
しかして満足に考える暇もないままに、手を引かれ子供たちの輪の中に入った凜は、久しぶりに童心にかえったのだった。