鈴音~生け贄の巫女~
03
「あの子が欲しい」
「この子が欲しい」
「相談しよう」
「そうしよう」
無邪気な子供の声が境内に響く。
それに混じる凜の声を聞きながら、木陰に隠れる男はクツリと喉を震わせた。
「相変わらず、お前の気配を殺す能力は使えるなあ?助かるぜ、相棒」
その茶色い髪を持つ男は、傍らにいる金髪の男の肩へと腕を回し。
対する金髪な男は、固い表情で凜達を見やる。
「あ、あぁ……あいつらは思い知るべきだ。その為ならば、お前に力を貸す」
「いいねぇ、その心意気。十分に役に立ってくれよ、神威(かむい)。ま、子供らには姿見られちまったようだがなあ」
ちらりと、ジャンケンをし始める子供たちに目を向け。
唇を歪に歪めた茶髪の男は、片手をギリと握りしめては血を滲ませた。