鈴音~生け贄の巫女~


「謝るな。それが俺達の役目であり、今回それを全う出来なかったからこそお前がこんな目にあっている。――……むしろ、謝るべきは此方か」


「そんなこと、………あ。それより、シンさん。シンさんは、ちゃんと寝ていらっしゃるのですか?いつも、私が眠る時は傍にいて下さいます、けど。起きたときも、こうしてお傍にいて下さいます、よね?」


どこか労る、心配するような凜の言葉と表情に、暫し言葉をなくす。


それより、という言葉に続けて言われたのがまさか自分を案ずるものだとは思わまいて、むしろ失態について咎められても可笑しくないというに。


「………気にするな……」


小さく。


その声は小さく。



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