孤独な天使に愛の手を。


インターフォンがなくて、右往左往していると、監視カメラの存在に気付いた。



「あの〜、西園寺と申します。明王寺さん居ますか?」


ヒラヒラと監視カメラに向かって手を振ってみる。



ギィー。



うわっ。いきなりドアが開いた。


入ってくださいっていう意味なのかな?


そうっと、抜き足差し足歩き出す。


なんでこんなこと…。私泥棒じゃないのに…。


家の門の近くに玄関もあるだろうと考えていたけど。



「なっがーい…。」


というか、家が見えない。



道も枝分かれしていたり、曲がり角があったりしている。



辿り着ける気がしない…。


くるりと回れ右をして帰りたい気分だった。




< 17 / 48 >

この作品をシェア

pagetop