孤独な天使に愛の手を。
「絶対迷う自信ある…。」
ぼうっと立ち尽くしていると、誰かにトントンと肩を叩かれた。
「遅くなってごめん。」
そこには息を切らせた明王寺さんが立っていた。
「いえ、そんなに待ってないです。それより、どこか出掛けていたんですか?」
「うん、ちょっとね。」
そう言って明王寺さんは優雅に前髪を掻き上げた。
「じゃあ中に入ろうか。美味しいミルクティーを作ってあるんだ。」
明王寺さんは微笑んで私の手を引いて歩き始めた。