孤独な天使に愛の手を。


「絶対迷う自信ある…。」


ぼうっと立ち尽くしていると、誰かにトントンと肩を叩かれた。



「遅くなってごめん。」


そこには息を切らせた明王寺さんが立っていた。


「いえ、そんなに待ってないです。それより、どこか出掛けていたんですか?」



「うん、ちょっとね。」


そう言って明王寺さんは優雅に前髪を掻き上げた。



「じゃあ中に入ろうか。美味しいミルクティーを作ってあるんだ。」



明王寺さんは微笑んで私の手を引いて歩き始めた。




< 18 / 48 >

この作品をシェア

pagetop