孤独な天使に愛の手を。
通された部屋は外から見た感じとは違って、最低限のものしかなかった。
しかし素材や作り方にこだわって作られたのが良く分かる、素敵な家具が並んでいた。
「どうぞ、座って。殺風景な部屋で悪いけど。」
「いえ、あの、この部屋は明王寺さんの自室なんですか?」
「うん。寝るために帰って来てるようなものだから、最低限のものしか置いてないんだ。」
やっぱり忙しいんだ。まぁ明王寺家当主だから、仕方ないのかな、などと考えていたら品のいい小振りなカップに美味しそうなミルクティーが注がれた。
「あ、ありがとうございます。明王寺さん。」
「ねぇ、その明王寺さんって呼び方変えない?」