孤独な天使に愛の手を。
クラクラと目眩がしてきた。
どうして?
「母さんとも話したんだが…。心結には小さな頃に婚約者がいたことがあると話しただろう?その元婚約者が明王寺さんなんだ。一度は破棄されたんだが、もう一度やり直したいと…。」
目眩が酷くて、ソファの肘おきのところに手をついて、体を支える。
「元々あった話だ。受けるしかない…。」
お父さんは、どこか怪我しているんじゃないかと心配になるほど顔を歪ませて、そう言った。
あぁ、お父さんも辛いんだ。良かった、私も愛されてたんだ。
なんだかホッとした。
「大丈夫。」
声が震えてしまうかと思ったけど、思ったよりしっかりした声で言えた。