孤独な天使に愛の手を。
「…こんにちは。西園寺です。」
私は、いてもたってもいられずに、夢さんに電話をかけていた。
「あぁ、心結。どうしたの?」
夢さんは、いたって普通だ。
結婚の話も冗談だったのかも…
「あの、結婚の話なんですけど…」
携帯を持つ手が震える。
「そのことなんだけど、僕と結婚してくれないかな?明王寺家のために。本当にごめん。…愛のない結婚をさせて…」
愛のない…?
「じゃあまた改めて挨拶に行くよ。じゃあ。」
プツンと電話が切れた。
わかってたよ。愛がないなんて。
だけど私は好きなの。好きになっちゃったの!
唇が震える。
どうして?もう遅いよ。
好きになってしまった。
愛してしまったんだから。