孤独な天使に愛の手を。
コンコンと、ドアをノックして部屋へと入る。
「こんにちは。西園寺 心結と言います。本日はよろしくお願いします。」
心を込めて礼をして、顔を上げると、フッと自分の息が止まるのが分かった。
私の目の前には絶世の美少年がいた。
すらりと長い手足。これでもかというほど整った美貌。切れ長の目は優しく細められて、口許に笑みを滲ませている。そして目の色が、綺麗なエメラルドグリーン。私は思わず見惚れてしまって、その印象的な、光り輝く目から視線を外すことが出来なかった。
そして、少し薄い綺麗な唇がゆっくりと動く。
「初めまして。僕は明王寺(ミョウオウジ) 夢(ユメ)です。こちらこそ、よろしくお願いします」
「えっ?明王寺?」
思わず声に出してしまった。