孤独な天使に愛の手を。
正直に言うと私はドレスについて無知にも等しいし、自分に似合うようなデザインも分からない。
「考えてなかった?自分にはよく分からない?」
恥ずかしかったけれど、「…はい。」と答えた。
もう、私の馬鹿!どうして勉強しておかなかったの!
内心頭を抱えながら一人悶々としていると。
「そしたら僕に全て任せてくれないかな?君のイメージに合わせて最高のドレスを作ると約束するよ。」
明王寺さんは、器用に片目だけパチッとウインクをした。
「あ、それじゃあ…お願いします。」
慌ててペコッと頭を下げる。
「それじゃあ、また。今日はもう帰るよ。」
今日は…?
不思議に思い、問いかけようとして後ろを見たら、もう明王寺さんの姿は無かった。