ぱんつのおかず

玉木くんはまじめそうやし、ちょっと冷たいかんじするから、あんましゃべったことない男子や。


ノートのハゲセッチにがしがし消しゴムをかけてから、ちょっと勇気出して、玉木くんに謝りに行った。


まじめに授業受けとったところを、ジャマしてもたやろから。



「あの……玉木くん」

「え?」

「ごめんな。うるさくして」



いきなり話しかけたから、玉木くんはおどろいた顔して、ウチを見上げた。


べつに、とか言われると思てたら、返ってきたんは、ちがう言葉。



「いや、ほんまにうるさかったわけちゃうねん。良かった、ノート取られんくて」



そう言うて、玉木くんはメガネの奥でニコッてした。


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