ぱんつのおかず


「………っ、」



…あー、やっぱ。


やっぱ嫌や。おれ、嫌やわ。


往生際悪いけど。トドメ刺された方がマシとか言うたけど。


そんなん嘘やん。おれ絶対嫌やもん。



こふじがほかのヤツのモンになるん、嫌や。



「えっ、うーん……奇跡?」



握りしめたこぶしの向こう。


とぼけたこふじの声が、聞こえてった。



「そんななぁ。玉木くんみたいな人が彼氏やったら幸せやろうし、ものごっつ奇跡やなぁって思う」

「…藤田さ、」

「けどな、アカンねん」



すべりこんで、鼓膜の表面。


明るいこふじの声が、はじける。





「ウチが玉木くんとおったら、セッチがスネるから」






なに。




…なんや、それ。






「あはははははっ!!」



タマシイ抜けたみたいになっとるおれに、タマキの爆笑が聞こえる。


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