ぱんつのおかず


「…藤田さん。もうちょっと、グラついとんかと思っとったのになぁ」

「へ?」

「ううん。案外、もう土台はしっかり固まってるやんって話」

「………?」

「…っ、お、おーいっ!!そこのお二人さーんっ!!」



盗み聞きしてしもとる状況に耐えかねたんか、若松が、こふじとタマキに声かける。


こっちに気づいた二人に、若松は今発見したとこ、みたいな発言を続けた。



「よかったぁ、見つけたぁ!!」

「カオちんっ!!」

「あたしの鼻緒、切れてもてなー。古町くんまで一緒に巻き込んでもて…あっ、古町くん!こっち!!」



若松に呼ばれた方に、フラフラ足を運ぶ。



もっかいそろった4人。


ちょうどそんとき、1発目の花火が上がった。



「うわぁ…っ!!」



まわりの視線が、いっせいに空に向く。


…でもおれは、目の前のこふじの顔から、そらせへんかった。


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