ぱんつのおかず


「……っ、言うてる、やん…ウチらぁ、そんなんやない、やんか…」



出てくる声が、ふるえる。


明るく、冗談っぽく。それを意識するのに、全然、いつも使ってる声が見当たらへん。



「〜か、カオちんとか!!どうかな!?いい子やし、背ぇスラッとしとる同士で、めっちゃお似合い…」

「……は?」

「カップルに背丈の釣り合いって、その、じゅ、重要やんなぁ!!」

「………」

「おさななじみと、好きな友だちがうまくいってくれたら、ウ、ウチも嬉しいし…っ!!」

「な…に……お前……」



ウチの腕つかむ力が、スッて抜ける。


セッチは目線、下に落として。



怒るみたいに、笑った。




「…はは。それ、本気で言うてんの…」




くしゃり。おっきい手のひらで、セッチが前髪をつかむ。


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