ぱんつのおかず
ザッ、ザッ、ザッ、て、繰り返して。その足音は遠ざかっていって。
ウチがやっと重たい頭を持ち上げたころには、セッチはもうおらんくなってた。
夕闇ん中、ウチは一人で立ち尽くして。
迷子んなった子どもみたいに心細くて。
でもこれ以上泣いたらアカンって思って、作ったこぶしの内側、ツメ、食い込ませて。
それでも涙が出てこようとするから、落とさんように、上を向いた。
セッチとこのままでおりたい。
このままでおりたくない。
…なんで二つの気持ち、一緒にわいてくんの。
このままでおりたくないって何?そんなこと思う、自分がこわい。
カオちんとくっついたらええのに。
ついさっき、ウチがセッチに言うたこと。
でもほんまはそんなこと、みじんも思ってへんって、口に出してから気づいてしもた。
すっごい嫌な思いが、グルグル回り出す。