ぱんつのおかず

すきって泣いとったんバレて、恥ずかしい?


そうやな。そら恥ずかしいわ。でもそれ、乗り越えんでどうするん。


またごまかして、逃げる方が恥ずかしいわ。だって。




『おれは、お前が好きや』




…セッチはあんなに、一生懸命、伝えてくれてたやんか。




「……っ、セッチ!!」




さけんで、一歩踏み出した。



足がもつれる。速く走られへん。



こけそうや。こけたらウケるな。



顔面強打の鼻骨折とかな。笑えるな。



でも、笑わへん。



必死で、足動かして。



追いかけて。



前行く、セッチの背中に、追いついて。




「セッチ!!」




……ギュウ、て。



しがみつくみたいに、後ろから、抱きついとった。



「〜な、なんやねん…っ」

「行かんとって」



ウチの声は、ふるえとった。



…でも、セッチの声も、ふるえてた。


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