ぱんつのおかず

走ったあとみたいな声で、セッチが言う。


後ろから見える、セッチの耳は、ものごっつ真っ赤。



…なぁ、セッチ。


こっち向いて。



ちゃんと全部言うから、顔見せて。




さんざん逃げてきたひとやのに。


すきとかきらいとか。さんざん、逃げてきた出来事やのに。



…おかしいなぁ。



素直な気持ちひとつ出したら、



こぼれるみたいに、あふれて、止まらへんよ。



「ウチな、気づいてん。セッチがウチ以外の子、好きになってまうんは、いやや…っ、」

「〜っ、」

「セッチが、ほかの子にチューするんとか、絶対い……っ、ふぐっ!?」



セッチのでっかい手ぇに、口ふさがれて。


振り返ったセッチに、ものすごい形相で、にらまれる。



「こふじ、ほんまふざけんなアホ…っ」

「………っ、」

「締め切れるわけ、ないやろ…」



鬼の顔のセッチが、ちっちゃく呟いたんが聞こえた。



彼女になるん、もう締めきった?


そんな、ウチの問いかけに対する答え。




「〜っ、絶賛受付中じゃアホ…!!」



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