ぱんつのおかず


「…うん?……あっ、集めることは集めるで、あの、一冊足らんでよかったら…」

「はは、うん。ありがとう」



なんなんめっちゃかっこ悪いやんウチ…。


ノート絡みで、玉木くんにメイワクかけてばっかやな。絶対アホな子やと思われとるわ…。


背骨がすっかり丸まったウチに、スッ、て。


玉木くんは、きれいな色のノートを一冊、差し出して。



「…え?」

「貸し出ししとく」

「えっ、あっ」



ウチが受け取ったら、ニコッて笑ろて、去っていった。


右手と左手にはさまれた。


『数学』『玉木歩夢』って、めっちゃ美文字で書かれたノート。



…え。なに、もしかして、写してもええよってこと?え、なに。もしかして神様?


なんで玉木くんてそんな救世主なん、いっつも。



「…オイこふじ」


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