ぱんつのおかず

「たっ、たまには絵筆と絵の具に触れたくなるときがあってやなぁ!!」

「あっそ。絵筆はお前に触れられたくないやろけどな」

「なっ……」

「まあまあ座りぃ、峰子!」



キッチンから現れた、ニッコリ顔のお母さん。


「さあさあ!」て肩押されて、セッチの向かいに座らされる。


ほんで、同じ花柄コップ、目の前に出されたけども。


…待って。


なんで学校から帰って早々、セッチと向かい合ってお茶飲まなあかんの。


コップの中のお茶に、ワケわかりません~みたいな表情のウチが、うつっとる。



「な…なにしに来たん…」



そう聞いたら、とてつもなく低いお返事がかえってきた。



「……は?」

「………」



ものすごいガン飛ばしてったセッチに、ウチができることってな。


悟りを開いた笑みを浮かべることくらいやわ。



…もしかして。


…もしかして、ウチのこと、好き、なんかも、とか。


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