ぱんつのおかず

…ホラな。だれかさんに占領されることがない部屋って、こんなに広いねん。


気持ちいいモノやねん。


ベッドにぼすん。水泳のプールみたいに、飛び込んでみる。


見た目より柔らかいわけでもなくて、ちょっと痛かった。


でも、広々や。ウチ一人で有効活用や。


うつぶせになったまま、顔だけ、右に向ける。


ホッと息をつく。鼻から、新しい息を吸い込む。



…なんか。なんやろ。


ウチのベットって、こんな匂いやったっけ。


ああ、ここ3日間くらい、セッチに占領されてないから。


これが本来の、ウチの匂いやねん。香りやねん。


わぁ、幸せやな!!お花畑にいてる気分になってったわ。そうやねん、ハゲの荒野やない。フローラルな草原やちゃんと生えてる生えてる。うん、生えてる。



「……あ」



ヒヤッて。ほっぺたに当たった、感触と冷たさで気づいた。


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